続報 『絶歌』 を読終わりました

「神戸連続児童殺傷事件はその猟奇性ゆえ、また加害者が14歳の少年であったことなどから社会に衝撃を与え、人々の脳裏に深く刻み込まれる事件となりました。」

「『絶歌』の出版について」(太田出版サイト)より

 私も、まさにその観点から、迷いましたが、読むことにしました。もちろん興味本位がなかったわけではないですが、90年代の中盤以降、いろいろな「重く」て「暗い」時代性を象徴するような、そんな事件のような気もするし、自分の専門外とはいえ、思春期の成長期にあるある人物が何を思ってこの事件をおこなしたのか、あるいは環境は、とそういうことを考え続けることも教育学の研究者としては重要なような気がしたからです。

  まず、本作は、第一部と二部に分かれており、二部では、更生施設後のお話と、知ってる人は知ってますが、要は、「一市民」として娑婆で生きてるまでのおはなしで、こちらは淡々とあまり装飾ない言葉で綴られたり、親しくなったりした人に過去のことがばれるのではとか、どう知らせるか、あるいは学歴のない特殊な人生の中どう仕事を見つけたかという、割と読みやすかったお話でした。

 問題は第一部でして、「彼」がなぜ淳くん殺害に至るようになったのか、殺人事件前から遡り、裁判でも話題となった祖母の死の前後を詳細に確認しています。

以下続きは本編で↓

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