#マルクス 始めました。 #資本論 の輪読ゼミです。その1

 さて、8月や9月は、出張や研究面での業務、そして学会(宗教団体ではありません)の活動と、実はお休みの学生さんがバイトにいそしむごとく、まともな教員(と思いたい人)は、かなり多忙な時期となる訳です。学生さんはバイト、教員は上に書いた様々な用務…まあ授業の受ける側も教える側も、本業がお休みの時のほうが忙しいという共通点がある、そういったところでしょうか。
 その合間を縫って、月に一回ペースで行っている、企業の経営者の方の研修、しかも古典を読む研修というのをずっとやっておりました。もうかれこれ3年目に入ります。最初は、マイケル・サンデルの本を解説してほしいというところからスタートしたのですが、いつの間にかプラトンやカント、そしてルソーなどの本を読んできたという、なんと言いますか、学生向けにやれたらいいようなことが、学外からの要望で行われている、ちょっとそれはそれとして面白い取り組みを行っております。
 前回はルソーの社会契約論を読んでいたのですが、その次を決めようと言う点で前回の議題の中で、マルクスの社会思想を知りたいとのお話があり、そもそもが資本論を読んでみたいがどうしたらいいかという、同じ経営者の方からの問い合わせを1年ほど前にいただいていたので、それで、「資本論第一分冊」に取り組むことに踏み切った次第。ちなみにこの経営者さん、いわゆる民主経営とは全く関係ない、web動画と映像制作に携わっている方なんです。これまた面白いことではあるんですが。
 そうそう、そういえば、とあるSNS評価経済社会の意見交換など積極にされていて、「そうだ、評価経済社会のことを深めるために、マルクスの視点は参考になるんじゃないか!」と勝手に思い、そのことについて何かの形で書いていこうとしたんですが結局時間がなくて記載していないのですが、そのあたりのことも頭にあったので、「資本論」に取り組むというお話には積極的に協力したいなと思ったりもしたんですね。
 ちなみに私は経済学のプロパーという訳では全くないのですが、どうした訳か、法学部や文学部などの古典精読のゼミには縁があって、授業で行われたものや院生の自主的なものなどいろいろと参加させていただいたり主催したりしてきました。でも、現在の大学院生の方の話を聞いていると、いまでは古典を取り上げしかも原典を参照しつつじっくり読んでいくという、そういうこと自体が大変らしく、そう考えるとそのあたりで行われてきた「伝統芸能」まではいかないけれども「大学院で行われたノウハウ」なんて言うものも次第次第に受け継ぐ人もいなくなってくるのではと思っていた一方で、これまた全く素地の違う企業の方からこういったニーズがあるということで、それはそれとして時代性なのかしら、と思った次第です。

ということでここまででかなり長いですが、本編の続きはこちらで…↓http://blog.livedoor.jp/apoly1998/archives/52008159.html