久々の日記で本の紹介

水曜は本の紹介の日らしいので、ちょうど最近読み終わった二冊を紹介。

 

「若者」とは誰か: アイデンティティの30年 (河出ブックス 61) 浅野 智彦 http://www.amazon.co.jp/dp/4309624618/ref=cm_sw_r_tw_dp_dnPxsb0QF7X98

 

ウェブ社会のゆくえ―<多孔化>した現実のなかで (NHKブックス No.1207) 鈴木 謙介 http://www.amazon.co.jp/dp/4140912073/ref=cm_sw_r_tw_dp_VnPxsb0TFJXNZ

 

二冊とも、社会学者による著作。二人ともバウマンという現代の批判的社会学の巨匠を下地にしたものといっていいでしょうね。

 

一冊目の本では、アイデンティティ自体が社会の状況によって求められる価値観でもある点に注目し、現代の「孤立化」しているように見えるステレオタイプの若者像の実相を明確にして、その上で関係の持ち方の変化や関係を重視する多層化して見える「若者」の自我像の積極面を探ります。

 

二冊目は、SNSなどの広がりによって、様々な空間が意味づけられ、本来の空間が意味化されたものとして、しかもそのような状況こそをリアルタイムに過ごすというリアルタイムの意味も書き換える、そんな現代の状況が「多孔化」として確認されていきます。

 

どちらの書も、ある種の今後の我々の他者関係に言及しており、多少今後の可能性についても触れている、そんな二冊でした。

 

ああ、こういう本が社会学者から出てきて教育学者から出てこないのは、時代でしょうがちと寂しいですなぁ…と思った次第。